男性も育児休暇が取りやすくなりました

育児法が段階的に改正

令和4年から、家族の育児や介護を対象とした育児・介護休業法が、段階的に改正されながら施工されることとなりました。
これにより、男性でも育児休暇を取得しやすくなると期待が高まっています。
令和2年の段階で女性の育児休暇取得率は81%程度でしたが、男性の取得率は12%程度と低く、男性は育児休暇を取りづらい環境であることが共通の認識として存在しています。
しかし、男女の性別関係なく男性でも希望すれば育児休暇を取りやすい社会にすることで、現在抱えている多くの育児問題の解消や軽減につながると期待されています。

それでは、具体的にどんな点が改正されるのでしょうか。
令和4年4月に施工がスタートした部分は、企業ごとに相談窓口を設置したり研修を実施するなど、誰でも育児休業を取得しやすい雇用環境の整備という部分です。
個人が制度をきちんと理解することによって、ニーズが発生した際には取得を検討しやすくなるのではないでしょうか。
4月1日施行の改正では、勤続期間が1年未満の従業員でも育児休業を取得することが可能となりました。

令和4年10月には、次の段階的な改正がスタートします。
この改正では、産後8週間以内に4週間まで2回に分割可能な産後パパ育休の取得が開始となります。
これは法律が定めた「必ず取得しなければいけない休暇」ではなく、男性が就業を継続したいと希望する場合には取得する必要はありません。

育児休業に関しても、子供が2歳になるまで取得できます。
この点は以前と同じですが、育休を開始する日をフレキシブルに対応したり、子供が1歳を超えてからの育休再取得を認めるなど多くの人がライフスタイルの変化に対応しやすい環境が整備されます。

育児休暇の取りやすい社会を目指す

育児休暇が女性だけでなく男性にとっても取得しやすくなることは、法律を整備しても実現することは決して簡単ではないと考える人は少なくありません。
男性の育休取得に対するハラスメントは、実際に26%程度の人が受けています。
「男のくせに育休なんて必要ない」「育休取ると昇進できない」など、周囲からの心無い声や、自身が培ってきたステレオタイプな価値観により、職場に気を使って取得したくてもしないという選択をする人も少なくないでしょう。

しかし法整備によって、取得しやすい環境へと改善される可能性は十分にあるでしょう。
妊活する時点から、もしくはパートナーの妊娠が分かった時点で育児の話し合いを始めることができますし、職場における業務の調整も行いやすくなるのではないでしょうか。

この育児休休業制度は、若い人だけが対象となるものではありません。
育児介護休業制度という法律の下に改正が行われたもので、高齢の両親を介護する際にも活用できます。
法の改正によって、多くの人がキャリアをあきらめずに働ける社会を目指すことが可能となるでしょう。