今後ほしい子どもの人数に意識の差

夫婦間で意識の差はある?

結婚している夫婦でも、子供が欲しい人がいる一方で、子供はいなくても構わないという人もいます。
子供が欲しい場合でも、何人欲しいかに関しては夫婦間で意識の差はあるでしょう。

男女で子供が欲しいと思う割合を比較すると、全般的に男性よりも女性のほうが子供を欲しいと感じる割合が高いという統計結果が出ています。
すでに子供がいる夫婦でも、もう一人以上子供が欲しいという女性は全体の半数以上いるのに対して、ひとりで十分だと考える男性は全体の半数以下という結果もあります。

産むこと・育てることが難しいと感じる社会

子供を欲しいか、何人欲しいのかという点に関しては、子供を産んで育てる環境と大きな関係があります。
育てやすい環境だと感じれば、子供を1人以上産みたい人は増えるでしょう。
しかし、出産も育児もしづらいと感じる環境では、何人も子供を産みたいという人は少ないのではないでしょうか。

子供を産みやすいか、育てやすいかという点に関しては、子供がいる世帯の約17%~18%程度しか育てやすいと感じていません。
全体の65%程度は育てにくいと感じており、その理由は複数あります。

父親が感じる育てにくさを見ると、金銭的な負担が大きいという点、そして社会からの理解や支援が十分でないという理由が多くあります。
金銭的な負担という点においては母親が感じる育てにくさと共通していますが、母親の場合には職場からの理解や支援が十分でないという理由も多くあります。
その他には、保育園など子供を預けられる施設の整備が不十分だとか、保育園の待機児童問題などを挙げる夫婦もたくさんいます。

こうした子供を産んだり育てることが精神的かつ金銭的に大きな負担となっていることは、国や自治体も理解しています。
少しずつではありますが、法整備などを含めて状況を改善するべく取り組んでいます。
令和4年からは段階的に育児休業制度が改正されて男性でも育児休暇を取得しやすい環境づくりがスタートしましたし、今後も法整備や自治体からのサービスなど多方向から環境整備の改善が期待されています。

子供を育てにくい昨今においては、兄弟を持たない一人っ子が増えています。
両親の愛情や注意がすべて一人の子供に集中するわけですが、その際には具体的にどんな人間に育ってほしいと考える両親が多いのでしょうか。
多くの両親が子供に望むことは、「自身で考えて行動できる力」です。
「他人を思いやる優しい心」を持ってほしいという夫婦や、「人生は一度きりなので思い切り楽しんでほしい」という夫婦も少なくありませんでした。

両親が子供に望むことは、社会の法制度や人々の価値観、そして子育てをする環境によって変化しています。
自分自身で考えて行動できる人間になってほしいと願うこともまた、現代社会を反映していると考えられます。