モラル・ハラスメント

モラハラと精神的DVの違いとは

モラハラとは、「モラル・ハラスメント 」の略語です。
自分や世間一般の常識(モラル)が正しく、相手が間違っていると思い込んで相手を責める、心理的な暴力のことです。

モラハラを行う人は、世の中の常識と思えることと相手の言動を比較して、「こんな一般常識も分からないのか、信じられない、おまえはダメなやつだ」などと言ってしまいがちです。
モラルハラスメントのもう一つの特徴は、被害者が自分の側に比があると思い込んでしまい、あるいはそのような感覚を植え付けられて、実はモラハラの被害者である事実を意識していないことが挙げられます。

一方、精神的DVですが、夫婦間、あるいはもっと広く近親者間全般での暴力の中でも、心理的な被害を受けることを精神的DVと呼びます。
この説明だけでは、一見モラハラと何が違うの?と思われがちですが、精神的DVがモラルハラスメントと決定的に違うのは加害者が「自分は正しい」と単純に信じていることで、そこに世間一般的な常識が通用しないことです。

モラハラからDVに発展することも

最初はモラハラだったケースが実際のDVへと進行することがあります。
モラハラを行う人は職場など家庭外では普通に見えるため、なかなか問題化するのが難しいことがありますが、もしモラハラから実際の暴力などへ発展すると逆に言い逃れできない証拠となります。
家庭内でのケースでは我慢しているうちにどんどんエスカレートする可能性があるので、家を出る、警察に通報するなど早急に対応しましょう。

モラハラ・精神的DV加害者の特徴

では、モラハラを行う人には何らかの共通する特徴があるのでしょうか。
一般的に精神的DVの根底にあるのは自分が正しいという考え方で、モラハラの方は自分を含む世の中の常識を正しいとする傾向があります。

とはいえ、そうした考え方の根本原因となるのはプライドの高さといわれています。
男性でも女性でも性別に関わりなく、異常にプライドが高いと小さなことでも攻撃的になってしまうことが多いです。
また自己中心的な性格人が多く、自分の行動や発言が相手にどういう影響を及ぼすかを想像できない、あるいは想像しようとしない人もいます。

このような性質・性格になる理由は他にもあります。
たとえば両親や祖父母によって過保護に育てられたことで、自己愛が強くなりすぎるケース、また逆に親からの適切な愛情を得られなかった結果、正常な精神が育たなかったということもあり得ます。
ほとんどの場合本人は自分が異常であることを自覚していないため、解決のためには本人と適切な距離を保ち、クリニックで治療してもらうなどのアプローチが有効です。