DV加害者更生カウンセリング

加害者は自分の行為をDVとは思っていない

DV問題は複雑で、加害者も被害者も両者ともに起きていることがDVであると気づいていないことが多いといえます。
そのため、加害者側にはパートナーに対する自分の行為がDVであることを認識したり、認めたりすることが難しい状況です。

実際のところ、正常な人と人とのつながりは、支配や強制に基づくものではありません。
お互いに尊敬し合い、長所も短所もあることを承知の上で、関係性を気づいていく必要があるのです。

また、DVといえば男性が女性に対してあるいは子どもに対して手を挙げることで、自分は暴力や暴言をすることはないからDVではないと誤解している人が多いのも特徴です。
相手は自分とは別の人格で、自分の考えや行動がすべて正しいとは限らないということを認められない人の場合にDVが起こる可能性が高まります。

とはいえ、知らなかった、誤解していたで済まされる問題ではありません。
実際、無意識のうちにパートナーや子どもにDV行為を行っているケースは数多くあります。
もし本人が気づいていないからそうしてしまうのであれば、本人の意識改革が必要ということです。
DVとは、相手が耐えられないほどの身体的な攻撃で表面化し、事件にまで発展するものだけではありません。

専門施設でのカウンセリングの内容

DV問題がまだ小さなうちならば、当人同士や親族を含めた話し合いで何とか問題を取り除くことができるかもしれませんが、耐えられないほど問題が大きくなったあとで解決しようとすると非常に困難を伴います。
そのため、もし自分と相手の関係で違和感を感じたら、DV問題を専門に扱う機関等で第三者のサポートを受けることが問題解決への一歩となり得ます。

場合によっては、加害者自身(患者自身)が受診したくないということもあります。
精神的な面での問題を抱えている人が治療を受けないのは、自分が病気であることに気づいていない、あるいは認めたくないからです。

専門家の助けを求めるよう家族が勧めても、頑として受診しないと家族の不安や心配、不満が募っていきます。
そのような場合には、当人ではなく家族カウンセリングをという方法を選択することも可能です。
家族カウンセリングプログラムでは、問題を抱えている人が治療のメリットを理解し、より積極的に専門機関へと足を運んでくれるようにどのようなアプローチができるかを学ぶことを目的としています。

本人が治療を受けていなくても、プログラムを受けたすべての家族が以前よりも幸福感が増し、落ち込みや怒りが減り、家族の結束力が高まり争いが減ったことを経験しています。
DVの治療カウンセリングを行っている専門施設では、家事や仕事を続けられるように通院での治療が可能です。
早期かつ軽度の症状で治療に取り組めば、問題をより早期に解決することも可能になってきます。