被害者の心理

第三者には理解されにくい

DV被害を受けると心に大きな傷を負ってしまい、人生が大きく狂ってしまうことも少なくありません。
幸せな結婚生活を送ることができるものだと期待していたのに、DV被害者になってしまったことで大変な苦労を伴う人生を歩む可能性が高くなるのです。
一刻も早く改善を目指すためにもDV加害者の元から逃げ出すべきだと思えるものですが、DV被害者の心理は第三者には理解されにくいもので、なかなか結婚相手の元から逃げ出すことができずにいる方も多いです。

簡単に逃げられない理由

DV加害者の元から逃げられない状況になっているのは様々な理由があります。
一番多いのが逃げることよりも恐怖感が勝ってしまうということです。
あまりにも相手が恐ろしいため、この場から逃げてしまうと見つかった時にもっと酷いことをされるのではないか?と思ってしまうことが、逃げたくても逃げられないという状況を作る原因になっています。

既にお子さんがいる夫婦の場合は、子供のためにも自分が我慢していれば良いのだと考えてしまうため逃げられないという人も多いです。
経済的なことを考えると、自分には経済力が全くないので相手と離れてしまうことで生活していけなくなるのではないかと不安を感じることが逃げられない理由になっている方も多いです。

他にも、自分のことを助けてくれる人なんていないからどこに逃げて良いのかわからないとか、この先の人生この人と離れて暮らすことはできないのだという無力感が逃げる気力を失わせる原因にもなっています。
中には自分が暴力をふるわれているのにも関わらず、この仕打ちは愛情の裏返しのはずだと思い込んでいたり、きっとこの人は変わってくれるはずという思いを捨てきれないという人もいます。

心に大きな傷を負った結果起こる病気

DV被害者の中にはPTSDという精神障害を引き起こす人がとても多いです。
暴力をふるわれて体に大きな怪我を負ってもきちんと治療をすることで完治を目指すことができても、PTSDになって精神障害を引き起こすと日常生活もままならないほど大きな支障を残すことになります。
仮に、相手と別れることになったとしてもPTSDの悪影響はずっと後を引きずることになってしまうのです。

PTSDはDV被害者本人だけでなく、DVを受けている様子を目撃していた子供にも発症する可能性があると言われています。
成長過程にある多感な時期の子供がDVを受けている所を見てしまったことで、自分では気付かないうちに心に傷を負ってしまい、人生に深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。
場合によっては自分自身がDV加害者になることもありますし、更にひどい犯罪行為を行うことも考えられます。

DV被害者が誰かに助けを求めたり、その場から逃げ出すことは難しいと思われますが、勇気を出して一歩踏み出すことが大切です。